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文楽鑑賞教室に行く [文楽]

社会人のための、に行ってきました。
まずは二人三番叟を上演し、そのあと義太夫と三味線、人形の説明があってから
絵本太功記の尼ヶ崎の段、歌舞伎でいう尼ヶ崎閑居の場がかかりました。

解説はいたって真面目で、歌舞伎の鑑賞教室のようなくだけた感じはなかったですかね。
客席には落ち着いた年齢の方々が多く見受けられたので、真面目路線で正解な気が。
ただ、最初っから最後まで真面目一徹というわけでは決してなく、ほどよく笑いもありましたね。

三味線の解説のときに三味線の方が、
登場人物の人物像によって三味線の弾き方を変えている、というお話をされ、
シュッとしたイケメンが出てくるときと強そうな男性が出てくるときの弾き分けを実演。
それぞれキムタクと猪木という設定で、
弾いたあとに ちょ待てよ とか 元気ですかッ! とか言ったりして
真面目な顔でやっているのでなかなかおもしろかったですよ。
猪木のときはバチを三味線に打ち付けて強い音を、キムタクのときは細やかな音で演奏。
ものまねはともかく、そういうふうに言われてから音を聞くと
本当にそういう人物が出てきそうな音に聞こえます。
人形のところ以外でとおして解説をしていた大夫さんの語りわけも見事。
場面によってはそこに出ている人形の語りを全部一人でやっているわけで
それぞれの年齢、性別、職業(僧とか侍とかでまた声色が違う)で
語りわける技術はすばらしかったです。

某動画サイトにあるたけしさんの番組で文楽の解説をしているものがあって
私も初文楽前に見てはいましたが、
やはり画面をとおして見るのと、
目の前に人形を分解して首だけにしたのを掲げられて見るのでは違いますね。
その番組でもやってましたが、両手をそれぞれ別の人が動かしているので、
両手を合わせるとかそういう動きは本当に難しそう。
また、主遣いさんがほかの二人に口に出して指示を出すわけではもちろんないので
左遣いさんは人形の体の一部の動きを見たり、
足遣いさんは主遣いさんの腰の部分が常に体に触れているので
そこから出されるサインを読んで次の動きを察しながら人形を動かしているんだそうです。

女形の人形には足がなく、人形の足は足遣いさんの腕で
歩いたり座ったりしているように見せています。
人形がつまづいて転びそうになり、
片方の足だけぐっと前に出してふんばって立っている様子(片膝立ちみたいな恰好)は
足遣いさんが このへんが膝だな と勘で自分の握りこぶしを前に突きだし、
膝を立てているように見せているそう。
位置を確認しながらやっているのだとばかり思っていましたが、勘でやってたとは…。
人形が目の前にいるから前が見えてなかったんですね。気が付かなかった。
主遣いさんもおっしゃっていましたが、左遣いも足遣いも、
ちょっと気を抜くと首と右手の動きについていけなかったり、
こぶしが変なところに出たりして膝に見えなかったりするので気が抜けませんね。大変だなぁ…。
長い修行を経て、急に主遣いが人形を動かしても
左手と足はきちんとその動きについていくようになるそうです。
昨日は言ってなかったですが、
先ほどの番組では足遣いと左遣いでそれぞれ10年ほど修行が必要だと言われてましたね。

人形の解説のあとは尼ヶ崎の段のあらすじ説明があり、15分休憩をはさんで尼ヶ崎の段上演です。
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