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文楽雑感 義経千本桜 渡海屋・大物浦/道行初音旅 [文楽]

だいぶ久々に行ってみました。
私が見たのは第三部でしたが,第二部で豊竹嶋大夫さんの引退興行があり,
チケット売り出しの日はなかなかの騒動ぶり。
当日も10分押していました。 押すこととかあるんですね。

毎度おなじみ,歌舞伎のあれが文楽だとどうなるのかとわくわくで見たわけですが,
毎度のことながら本当に見事です。
人形遣い,大夫,三味線の三業ががっちり組み合って最高のひと幕でした。

知盛の最期,残る最後の力を振り絞って碇を持って岩の上にあがっていくところから
その碇を投げて自分も海に飛び込むところまではもう揺さぶられっぱなしでした。
歌舞伎のときもいつもここはけっこう悲しくなってしまいますが,
文楽も同じで相当悲しくなってしまいました。

休憩をはさんで「道行初音旅」でしたが
こちらは最初に狐の人形が出たり(お正月の小狐礼三みたいだった)
忠信が静に狐っぽくすり寄ったりして,歌舞伎とは違う趣向で楽しめました。
何より,悲しい場面からの桜の花いっぱいの舞台はとても華やかで,少し気が晴れたかも。
休憩中にそこそこ揺れた地震があって
よっぽど帰ろうかとも思いましたががんばって見てよかったです。
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社会人のための文楽鑑賞教室 Aプロ [文楽]

行ってきました。
体調があまり思わしくなく、ぼんやりと眠たかったのでどうなることかと思いました。
絵本太功記の途中、5分くらいかなり危険な状態でしたが、一応がんばりました。

最初の三番叟では、Bプロで人形の解説をされていた主遣いさんと
以前油地獄を見に来たときに少々ときめいていた主遣いさんが出てこられました。
主遣いさんがかっこいいから(ハート)とかいう不純な動機で見に行ったわりには
今回は顔ばかり見ずにちゃんと人形の動きと大夫さん、三味線さんに注目して見てきました。

三番叟のあとの解説は、先日のBプロと話している内容は同じですが
今回は三味線のばちのたたき方の名前や、三味線の部品?の素材について一言あったりしました。
太棹三味線のばちは、一番うすいところでも1センチあるらしいですね。
ばちはみんな一緒なのかと思っていたので新発見です(←遅い)。

人形の解説も基本的にはBプロと同じ話をしていました。
眉毛とか目が動く人形はともかく、顔のパーツが動かない人形で表情をつくるのはたいへんそう。
人形遣いさんたちが気持ちをこめていないと、何をしてるんだかわからない感じになってしまいます。
気持ちを込めない雑な動き の実演もありましたが、本当に雑で、何も伝わってこないのです。
あとはやはり三人で一体の人形を動かす難しさ。
左遣いさんが気を付けていないと両手を合わせる動作はできないし、
足遣いさんが適当にやっているとつまづく動作のときに膝があさっての方向に出てしまいます。
主遣いさんや人形の、本当にちょっとした動きが
ほかの二人への合図になっているんだなぁ…と改めて認識した次第です。
ますます2月の文楽公演が楽しみになりました!

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2月の文楽 [文楽]

源平布引滝~矢橋の段/竹生島遊覧の段/九郎助内の段

と書かれています。

源平布引滝とは、現在私が大熱狂している、
歌舞伎座でかかっている『義賢最期』もその中の一部(二番目?)。
矢橋の段/竹生島遊覧の段/九郎助内の段 というのは、
ちょっと検索してみたところ、その『義賢最期』の後の場面なのですね。
「九郎助内の段」が歌舞伎でいうところの『実盛物語』にあたるところです。
「実盛」の中ではすでに小万の腕は切り落とされていますが、
2月の文楽ではその切り落とされるまでのところから「実盛」にかけての部分がかかるようで。

今の時点で歌舞伎座の『義賢最期』は3回見ていてまだ見に行くつもりになっていますが
たいして間を空けずにあの続きの部分が見られるとは!
今日も文楽を見てすっかり満喫してきましたが、
このままどっぷりはまってしまうんでしょうかね…?
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絵本太功記 尼ヶ崎の段 [文楽]

歌舞伎の 尼ヶ崎閑居の場 のことなので、内容は同じです。
初菊がかぶととかを重そうに運ぶところはなかったです。
鎧櫃ごとひきずって裏に引っ込んでいきました。

毎度のことながら本当に人形が生きているようで。
人形に仕掛けてあるヒモとかを操ることであんなに人間ぽい動きが表現できるなんて
本当に人形遣いの方の技術はすごいですね。

母さつきが刺され、十次郎が帰ってきたあと、
しばらくさつき以外の人形が全員庭先に出てきて話が進みますが、
そのときもさつきの人形は後ろで痛みに耐えるように震えてるんですね。
私は途中まで庭先の人形ばかり見ていましたが、
震えているさつきに気づいてからはさつきばかり見てしまいました。

某動画サイトで見たときに足遣いをなさっていた方が
このとき加藤正清を遣う主遣いとして出ていらっしゃいました。
あのとき足遣い歴11年目とおっしゃっていたので
そこから左遣いを経て主遣いになられたのでしょうね。

そしてどういうわけか私の手元には文楽鑑賞教室(社会人)のチケットがもう一枚…
実は先日私が見たのはBプロ。
AプロとBプロの2つがあるのを先日行ってみるまで気づいておらず
(国立のHPにはよくよく探したら書いてました…)、
どうしても、どーうしてもAプロも見たくなってしまったのです。
チケットを探しましたが既に売り切れ。
一度はあきらめかけましたが、毎日国立チケセンをチェックしていたら戻りが出て、
無事にそこそこ前方の席を確保することができました。
あー楽しみだ♪
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文楽鑑賞教室に行く [文楽]

社会人のための、に行ってきました。
まずは二人三番叟を上演し、そのあと義太夫と三味線、人形の説明があってから
絵本太功記の尼ヶ崎の段、歌舞伎でいう尼ヶ崎閑居の場がかかりました。

解説はいたって真面目で、歌舞伎の鑑賞教室のようなくだけた感じはなかったですかね。
客席には落ち着いた年齢の方々が多く見受けられたので、真面目路線で正解な気が。
ただ、最初っから最後まで真面目一徹というわけでは決してなく、ほどよく笑いもありましたね。

三味線の解説のときに三味線の方が、
登場人物の人物像によって三味線の弾き方を変えている、というお話をされ、
シュッとしたイケメンが出てくるときと強そうな男性が出てくるときの弾き分けを実演。
それぞれキムタクと猪木という設定で、
弾いたあとに ちょ待てよ とか 元気ですかッ! とか言ったりして
真面目な顔でやっているのでなかなかおもしろかったですよ。
猪木のときはバチを三味線に打ち付けて強い音を、キムタクのときは細やかな音で演奏。
ものまねはともかく、そういうふうに言われてから音を聞くと
本当にそういう人物が出てきそうな音に聞こえます。
人形のところ以外でとおして解説をしていた大夫さんの語りわけも見事。
場面によってはそこに出ている人形の語りを全部一人でやっているわけで
それぞれの年齢、性別、職業(僧とか侍とかでまた声色が違う)で
語りわける技術はすばらしかったです。

某動画サイトにあるたけしさんの番組で文楽の解説をしているものがあって
私も初文楽前に見てはいましたが、
やはり画面をとおして見るのと、
目の前に人形を分解して首だけにしたのを掲げられて見るのでは違いますね。
その番組でもやってましたが、両手をそれぞれ別の人が動かしているので、
両手を合わせるとかそういう動きは本当に難しそう。
また、主遣いさんがほかの二人に口に出して指示を出すわけではもちろんないので
左遣いさんは人形の体の一部の動きを見たり、
足遣いさんは主遣いさんの腰の部分が常に体に触れているので
そこから出されるサインを読んで次の動きを察しながら人形を動かしているんだそうです。

女形の人形には足がなく、人形の足は足遣いさんの腕で
歩いたり座ったりしているように見せています。
人形がつまづいて転びそうになり、
片方の足だけぐっと前に出してふんばって立っている様子(片膝立ちみたいな恰好)は
足遣いさんが このへんが膝だな と勘で自分の握りこぶしを前に突きだし、
膝を立てているように見せているそう。
位置を確認しながらやっているのだとばかり思っていましたが、勘でやってたとは…。
人形が目の前にいるから前が見えてなかったんですね。気が付かなかった。
主遣いさんもおっしゃっていましたが、左遣いも足遣いも、
ちょっと気を抜くと首と右手の動きについていけなかったり、
こぶしが変なところに出たりして膝に見えなかったりするので気が抜けませんね。大変だなぁ…。
長い修行を経て、急に主遣いが人形を動かしても
左手と足はきちんとその動きについていくようになるそうです。
昨日は言ってなかったですが、
先ほどの番組では足遣いと左遣いでそれぞれ10年ほど修行が必要だと言われてましたね。

人形の解説のあとは尼ヶ崎の段のあらすじ説明があり、15分休憩をはさんで尼ヶ崎の段上演です。
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「不破留寿之太夫」を観てきた [文楽]

あらすじはコチラ

シェイクスピアの喜劇をもとに書かれた新作文楽。
主役は「ヘンリー四世」と「ウインザーの陽気な女房たち」に出てくるフォルスタッフです。
私は文楽を観るのも二回目だし、シェイクスピア作品についてもぜんぜんわかりません。
さらに今回はイヤホンガイドも借りませんでしたが、本当に楽しめた作品でした。

会社のお昼休みに「不破留寿之太夫」の特設ページで
この作品に対する制作陣のこだわりを見てから行きました。

まずは衣装。
もちろん人形のこしらえですが、きれいなレースを使っていたりしてとても豪華。
そして登場する人形の大部分がピアスをしています。
主人公の不破留寿にいたってはへそピアスまでしています。
へそピアスはキラキラの星型でかわいい!

舞台装置にもこだわりがあったそう。
途中、居酒屋の場面があって舞台セットも居酒屋のセットになります。
その居酒屋セットのこだわりはメニュー。
木札に書かれたメニュー、思わずメモってしまいましたが…

ふらいどえっぐ、ふらいどぽてと、ふらいどちきん、ぽてとさらだ、かれいのにつけ、
びーふしちゅー、えだまめ、くじらのにこごり、つけもの、あんこうなべ、がんもどき、
にくじゃが、さばみそ、みそしる、おにぎり、べーこんえっぐ、、おでん、やきざかな、
ふぃっしゅ&ちっぷす、たまごやき、あつあげ、やきとり(たれ、しお)、ひややっこ

「おでん」や「つけもの」など、定番の居酒屋メニューから、
シェイクスピアの本場イギリスの居酒屋メニュー「ふぃっしゅ&ちっぷす」まで
無国籍居酒屋みたいなメニューがすべてひらがなで書かれていて、なんだかかわいい。
しかし「くじらのにこごり」ってすごいな。。。
こんな細かいところにまでこだわっているのですね。

私は出語り床のすぐ近くに座っていましたが、
その出語り床、そして三味線さんや太夫さんが着ている肩衣が草原模様。
通常の文楽公演とはひと味違う(らしい)仕掛けがたくさんちりばめられていました。
私はその 通常の文楽公演 を一度しか見ていないのでよくわかりませんでしたが・・・
だから、直前にそのブログを読んでいって本当によかったです。

物語は常時笑いが起こる本当に楽しいものでしたが、
最後に不破留寿がけっこう深いことも言っていて、なかなか考えさせられました。
今回見た席は、出語り床が視界に相当入る、なかなか見づらいお席でした。
まぁ、お得な三等席なのでね、仕方ないのですが。。。
もう一度正面からしっかり見たい!と思わせる公演でしたね。

アンケートに答えたらばんそうこうをいただきました。
ふぁるす.jpg

12月は「伽羅先代萩」がかかるようで。
これは歌舞伎で何度も見ている演目なのでぜひ見に行きたいところです!
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初めて文楽を見てきた [文楽]

で、見てきました。
演目が「女殺油地獄」と「鳴響安宅新関(勧進帳)」と、
話の内容はわかっているものでしたが、イヤホンをお借りしました。

「女殺」はあれをいったい人形でどうやってやるんだ??と気になっていました。
特に殺しの場面は人形を濡らすわけにはいかないだろうし…

…終わってみればいやいや、圧巻でした。
殺しの場面はもちろん油は使わず、こぼれているという体で演じられましたが、
油に滑って転ぶところはすーっと人形が舞台上を動いて滑っているように見えるし、
与兵衛に刺されて悶え苦しむお吉の人形は、
その動きだけで苦しみ、恐怖、幼子を遺して死んでいく無念さが伝わってきます。
人形は無表情ですが、それでもきちんと感情が伝わるのです。
油に足を取られて足ががくがくしているところなんかも本当にリアルで、
有り体な言い方ですが、人形が生きて、自分の意志で動いているようでした。

最初こそ「あ!この人誰でもピカソに出てた人だ」とか
違うほうに気が行っていましたが、最後はもうすっかり夢中で身を乗り出してみていました。
最後列の端っこでよかったですよ。。。

「鳴響安宅新関」は歌舞伎の「勧進帳」で、
何度も歌舞伎で見てはいるものの、毎回わりと寝てしまいます。
前日の歌舞伎座でも1/3くらいは寝てしまっており、文楽も心配でした。
が、「女殺」の興奮が持続しており、しっかり起きて見ていました。
勧進帳を読み上げる場面の太夫さんの力の入った語りや
延年の舞のところでの迫力の三味線演奏にまた興奮し、
寝るどころか完全にテンションがあがってしまいました。

勧進帳を読み上げるところの、勧進帳をのぞきこもうと寄ってくる富樫と
白紙の巻物を見られまいとする弁慶の攻防は、やはり力が入ります。
人形とは思えない動きに本当に圧倒され、終わってもしばらくぼんやりしていました。

・・・

舞台の上手のちょっと上のほうには電光掲示板がついていて
歌舞伎鑑賞教室のときのようにセリフが全部出るようになっていました。

今回は話の内容がよくわかっている演目だったうえにイヤホン有ではありましたが
やはり「今なんて言ったのかしら」と思うこともあり、電光掲示板は便利でした。
帰りに結局プログラムも購入しましたが、床本がついていました。
床本をもとにした「女殺」の時代背景などの解説書?もついていて
「与兵衛の金銭感覚」と題して与兵衛の収入(盗んだの含)と返済額なんかも書いてます。
お値段のわりにかなり内容が充実していてお得感のあるプログラムでした。
今月は竹本住大夫さんの写真集もついていました。

歌舞伎を初めて見た時も思ったけれど、こんなにおもしろいとは思いませんでした。
鑑賞教室とか行ってみたいけれど、大阪は遠いなぁ。。。










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文楽を見てみようと思い立つ [文楽]

今月は竹本住大夫さんの引退公演ということで、チケット発売日は大騒ぎでした。
10時をかなりまわったころになってようやく入店。
引退狂言が昼の部のため、入店したときにはこちらはすでに売り切れておりました。
夜の部は「女殺油地獄」と「鳴響安宅新関」。
演目的には夜の部のほうが見たかったので、すぐにチケットを購入。

「女殺」は歌舞伎で何度も見ているので、
あれを人形でどうやって??とかなり興味がありました。
一方の「鳴響~」は知らないなぁ、大丈夫かなぁと思っていましたが、
HPをよく見たら「勧進帳の段」と書いており、あの「勧進帳」のことなんだと気づきました。
しかも前の日に歌舞伎座に行くことにしていたため、
歌舞伎の勧進帳と文楽の勧進帳を連続で見られることに。

が、文楽はまったくもって何もわからないので、
某動画サイトにあった「誰でもピカソ」の文楽の回を見てなんとなく予備知識を仕入れます。
一つの人形を三人で操っていることすらこれでちゃんと知った始末です。
こんなんで大丈夫かいな…と思いながら見てきました。

*住大夫さんの た が 太 になってましたね。
失礼いたしました。
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